二人だけの秘密の会話
2004年1月23日「火星に探索機が着陸したんだって」
「人間はやっぱり故郷に帰っていくんだね」
「どうして戦争がなくならないんだろうね」
「人口増加に歯止めがきかなくなるからだろうね」
「石油でも水素でもない、宇宙エネルギーを
使う技術は
いつになったら公表されるんだろうね」
「人間が欲を捨てたらかな。石油の関連事業が
とまったらそれだけ路頭に迷うひとが
いるからね・・・」
「原子力発電なんて、愚かしいよね・・・」
「神様は、ある程度の知能を持った生物は
共食いをしたり、捕食される側にならないように
したはずなんだ。
だから、共食いをしたりすると、死ぬような病になるように
したんだよ。
肉骨粉が無毒になる研究をするより
根本的に草しか食べない生き物に肉を食べさせること自体が間違いと
どうして気付かないのかね」
「結局、お金の問題でしょ?
クズ肉でも買わせようって言う、強欲な行方だよ」
「ヒトはときめきを忘れたらいけないんだって」
「恋ってこと?」
「うーん、わくわくすること、かな」
「遊ぶこととか?」
「そうそう。ジェットコースターにのったりだっていい。
スポーツしたり、出かけたり、映画を見たり
ワクワクすることがないと
脳は死滅していくんだって。
DNAには、そういったワクワクすることを
求めるようにプログラムされてるんだよ」
「へぇ〜」
「だから、不倫とかするのも、お手軽でてっとりばやいDNAの欲求の解消、といえるんだけど
それは、倫理的欠如、ということで
結局はDNAの心をつかさどる所の欠陥なんだとさ。
不倫とかするメカニズムも解明されているみたいだよ」
「許されない愛だのこれが本当の恋だの
大義名分かざしても、
結局は人間としての不良品ってことかー」
「この前、ケイくんは普通に運転していても
いろいろ見えるんですか?って
ストレートにきかれちゃったよ」
「うんうん、それで?」
「本当に我が家のあの部屋には何もいないんですか?だってさ」
「いないでしょ?あそこ」
「いないよ」
「それで?」
「もしも、なにかいるとしたら、部屋じゃなくて
あなたの奥さんにだよ、って話しておいた。
もしも本当に何とかしたいなら、
教えてあげるよっていっといた」
「そっかー。前向きに考えてくれたらいいね」
「そうだね・・・」
「かまってくれないなら浮気してやる!
若い男とウハウハしてやる!」
「も〜〜〜 なんでそういうこというの!」
「かまって欲しいもん!」
「また不機嫌になる〜〜。まったく・・・」
「ケイくんなんてキライキライ!」
「それなら僕だってほかに女つくってやる」
「はい、どうぞ。好きにしてください」
「あーーーーもうーーーーーー!!!!なんでそういうこというのーーー!!!」
「今日かまってくれなかったら離婚する」
「なんでやねん」
「私のことなんて大事じゃないんだ」
「誰もそんなこといってないでしょ」
「そういえば、今晩のおかずなにがいい?」
「なににしようねぇ」
「お蕎麦にでもする?さっぱりと」
「いいねぇ〜〜!お蕎麦にしよう!!」
「わかったー。じゃぁ用意するね」
「はーい」
「でもやっぱりケイくんなんかキライキライ」
「はいはいはいはい。こっちおいで」
地球の片隅で
宇宙の片隅で
交わされる会話は
誰も聞くことのない、日常の一コマという
二人だけの 秘密。
コメント